2009年05月11日

緩和ケア病棟

 総合病院の緩和ケア病棟に入院した叔父を家族で訪ねました。私自身、終末医療病棟へのお見舞いは初めてかもしれません。

 数年前から肝臓がんを患(わずら)っていたのに親族にも告げず、叔父の奥さんから病気について初めて聞いた時には既に、「桜の頃までもつかどうか」という状態だったそうです。

 もう何年も会っていない叔父ですが、私の父と年が11歳も離れており私が生まれた頃にはまだ実家にいたので、かわいがってもらったようで、その叔父と一緒に写っている私の小さい頃の写真も何枚かあります。

 先に見舞いに行ったことのある母から、痩せて骨と皮になっているとか腹水がたまっているのが傍目にもわかるとか聞いていました。
 
 叔父の入っている緩和ケア病棟は病院の中でも奥の奥の方に位置していました。病院は古いらしく、途中の廊下は気が滅入るように薄暗く。ただ、緩和ケア病棟はこの4月にできたばかりということで真新しく気持のよいスペースでした。

 叔父は個室で食事をとっている最中でしたが、談話スペースで話そうと出てきてくれました。そこまでの歩行も歩行器を使って。

 私が訪ねたことをとても喜んでくれて、ひととき楽しい会話ができました。

 話が途切れたときに、携帯カメラに収めた美しい花園の写真(それは県内の観光名所にもなっているところで先日撮ったものです)を見せると、「きれいに撮れるんだねえ。」と眺めていました。

 叔父によると、病院の向かいに讃岐うどんのおいしいお店がありお薦めで、叔父も6、7回行ったとのこと。でももう今は食欲もなく行きたいとも思わないようです。

 叔父は持病のある奥さんのことを気にしており「何かあったらお宅を頼るだろうから宜しく頼む」とも言っていました。

 きれいな病棟には、大型テレビや豪華なソファのあるリラックスルームもあり、ところどころに観葉植物、彩(いろどり)よく花瓶に挿された薔薇などが趣味よく置かれていて病院側の気遣いが感じられます。

 それにしても、叔父がここまで悪くなっていなければ、一緒においしいものを食べに行ったり、花を見に行ったりできたのに…と、あの状態であの病棟に独りいる叔父を思うと愛おしい思いがします。

 プリンだったらおいしく食べられるんじゃないか今度はプリンを持っていこう、青汁を注文しよう、トランプでも一緒にやろうか、叔父は麻雀が強かったらしいから紙麻雀はどうか、叔父の父母が遺していったたくさんの写真の整理でも頼んでみようか、など、今度の見舞いのことを話し合っています。

 叔父はおそらくもう回復することはないでしょう。残された時間の中で少しでも穏やかで心和む一時(ひととき)が過ごせればと思います。

 叔父の直接の家族でないからこそできることがあるように思います。
posted by 夢見桜子 at 00:00| 一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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